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Welcom to Essay by Dan !

2005年を素晴らしく、かつ

有意義にしたいと祈念いたします。

Hubble撮影のフォトン・ベルト実写画像です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   日記風エッセイ(21)
   





4月26日(火曜日)

「大惨事と命運」


昨日、JR宝塚線で、本日の発表では死者が73名、負傷者が456名という史上最悪の大惨事が起きた。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、事故に遭われた方々に、心からご同情を申し上げる次第です。


私の故郷がこの方向にあることもあって、私自身も数限りなく、何回にも渡ってこのJR線は利用していただけに、人ごとではなく身近な問題としてこの事故を捕らえている。加えて、暫く帰っていないので、そろそろ帰郷する時期かなとも考えていたし、車はシンドイから電車にするか、どうしたものかと先週から思案をしていた矢先のことでもあった。幸いにも、運命の歯車が噛み合わなかったので、帰路に巻き込まれることはなかったが、ゾッとしたことは確かである。行くと決めた日と帰る日のタイミングが合っていれば、もしかしたかも知れないのである。人の命運とはこういうことなのかもしれない。更に、・・・・・・・・・。


今日、負傷者が運び込まれている尼崎病院の医師の談話を放映しているテレビを見ていたときのことだ。その勤務医の名前をテレビがテロップで表示していたが、その名前と顔を見て、私は驚愕した。M君だ。何ということか、42年振りに見る彼の顔である。必死に被災者を医者として救出している男の姿だ。


大学受験を失敗して、同じ高校出身の我々四人組は、大阪は森の宮にある、当時の東坂町にあった、民生委員の山田さん宅に四人一緒に、賄い付きで下宿させて貰っていた。そこから、天王寺にある難波予備校に通っていた。このM君、O君、I君そして私の四人は、同じ予備校に通い、相互に啓発し合いながらで、同じ下宿屋に同居していたのである。そして翌年、M君は公立の医学部に、I君は国立大の医学部に、O君と私は国立大の理学部にと、全員見事に大学に合格した。


実は、その前の年の秋に、特別奨学生の選抜試験があることを当時の担任の先生から教えて貰っており、我々四人は肝試しと考えて四人ともこれを受験していたが、結果は私だけが合格となる。また、高校も予備校も、学力試験の順位は、私、O君、I君、M君の順で、この順序は年間を通じて殆ど変わることはなかった。意外だったのは、I君の頑張りで、彼の運の強さと意志力が勝利を呼んだのだろう。何故なら、兼ねてから彼は、厚かましくも医者になることを周囲に公言して憚らなかったのである。そして、彼等は、それぞれその大学へと進学していった。


 しかるに、迷いやすい性格の私は、腕試しとして受験し、もう一つの合格していた、ある京都の大学にと進学を決めた。何故か、そこにはロマンと希望があるように感じたからである。有名大学の理学部を捨てて、無名の三流に行くとは馬鹿じゃないのと、この選択を非難もされたが、本流ではなく寧ろ私は支流を選んだ。ここから、私の人生は、変遷を繰り返していく訳だが、この話は別の機会に譲るとして、最近になって、その当時の四人組の近況が大変に気になっていた。人づてに聞いた話では、O君はある有名電機メーカーの研究者として勤めを果たし、I君は伊丹で整形外科の病院を経営して居るのが分かったが、M君だけが消息不明であった。


そして、今日、私はそのM君の姿を前述のようにテレビで見たのである。自分の使命を果たしている医者として。彼も当時から、勤務医になることを夢見ていたが、その夢を実現させた男の姿を、普通の人になってしまった、この私が見た。まさしく、人は自分の考える人になっていくのだ。それがこそ、命運なのかもしれない。








クョスコニョ    [1] 
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