●1月7日(金曜日)
「人は何故怒るのか」
動物が怒っている時を、その生態から観察してみると、(1)餌が奪われるとき、(2)他の種から攻撃されるとき、(3)雌を奪われそうになったとき、(4)住処が奪われるとき、(5)縄張りが奪われるとき、位しか思いつかない。そして、普段は同じ種同士で争うことは殆どない。まして、つがいでは全く争わない。
人間の場合は、まことに複雑怪奇である。そこで、単純化して夫婦の場合だけを例に取ってみよう。普段は理性で押さえ込んでいるから、具体的な争いが起きないが、こういう場合も含めて怒りの場面を考察してみる。
(1)相手から馬鹿にされていると感じるとき、(2)信用されていないと感じるとき、(3)相手が拒否するために自分の意が通らないとき、(4)分け前が自分の方が少ないと感じるとき、(5) 相手から具体的な被害をうけたとき、(6)無理難題を押しつけてきたとき、(7)誉めるべき時に誉めてくれないとき、(8)自分の価値観を侮蔑されたとき、(9)無視されていると感じるとき、(10)他の人に比べて自分の能力が低いと評価していると感じるとき、(11)自分のした行動がけなされたとき、(12)相手のミスから起きた損害なのに謝らず、逆に自分の方へと責任転嫁をしてくるとき、(13)自分の出したアイディアや意見が取り上げられないとき、(14)相手から理解できない価値観を押しつけられるとき、(15)自分の行動に相手が事細かに介入して指図を加えるとき、(16)自分の方の先祖とか家柄を侮蔑していると感じるとき、(17)自分のプライドをけなしていると感じるとき、(18)身体的特徴をけなしていると感じるとき、(19)相手が心を閉ざしていると感じるとき、(20)相手が自分の言葉を聞いていないと感じるとき・・・・・・・・等々枚挙にいとまがない。
別の本では、比較される、無視される、疎外される、打ちのめされる、抑圧される、奪われる、被害を受ける、・・・・等のときに人は怒りを覚える云々と書いてあるが、怒りを感じる場面は人によって千差万別である。この感情から争いが起こり、戦争にまで発展する。そして、生きている証でもあるかのように、人はこの怒りの感情からは絶対に逃れられない。
しかし、理性に立ち帰り、鎮める方法はある。では、どうすればいいのか、その素晴らしい自己流の方法が5つあるので、それを諸君に紹介してみよう。
(1)伴侶でなくよその人が、話しているのだと無理にでも思うこと。
(2)昔はあんなに愛し合ったのに、と昔のことを思い出し相手を全て許すこと。
(3)宗教の教えにすがり、洗脳すること。
(4)全てを聞き流して留めず、そして忘れ去ること。
(5)言葉尻から妄想を広げないこと。
了◆